こんにちはー。オカモトです。
2020年に映画公開が予定されている「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」ですが、そのストーリーに大きく影響してくる
「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン」
という小説作品があるのはご存知でしょうか?
映画の「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」は知っているけど、小説のベルトーチカ・チルドレンは知らない人も多いと思います。
僕もこのストーリーはまったく知らなかったので、映画公開に先駆けてベルトーチカ・チルドレンを読んでみました。
読んだ感想は、おもしろい!
なぜ、こちらを映画にしなかったんだ!
と思ったくらい。
小説を読むのがめんどくさい
ネタバレでいいから結末が知りたい!
という人のために「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン」のネタバレ解説をします!
※以下はネタバレを含むのでご了承ください
Contents
逆襲のシャア小説版ベルトーチカ・チルドレンとは?
こんな質問をよく受けます。
「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン」は映画版「逆襲のシャア」の原型になった小説作品です。
富野監督が書いて1988年に発売されています。
- アムロに子供ができるという描写がアムロに対しての夢が壊れる
- ヒーローが結婚状態なのは面白味を下げる
とかで、スポンサーが嫌がってアニメ化はされていません。
大人の事情で小説のまま、映画化はできなかったそうです。
つまり、「逆襲のシャア」のアナザーストーリーという位置づけで元々はボツになった作品です。
ということでガンダムの正史ではありません。
映画版と大筋は同じですがアナザーストーリーならではの独自の設定や展開があります。
この独自設定や展開がベルトーチカ・チルドレンのおもしろいところで、後ほど解説していきます。
逆襲のシャア小説版ベルトーチカ・チルドレンあらすじ
グリプス戦役と呼ばれるエゥーゴとティターンズの連邦軍内乱から6年。
消息を絶っていたシャアは、新生ネオ・ジオンの総帥として再び姿を現す。
サイド5スウィート・ウォーターに進駐したシャアは、そこで連邦政府の腐敗を糾弾。
粛正のため、小惑星フィフス・ルナをチベットのラサに落とすという、地球寒冷化作戦を実行に移す。
逆襲のシャア映画版と小説版ベルトーチカ・チルドレンの違いをネタバレ解説!
ベルトーチカとチェーン・アギ
「チルドレン」となっていますが、小説中で出てくるのは「ベルトーチカのお腹の中の子供」です。
このお腹の中の子供が「パパぁー!」「だめー!」という感じでささやいて不思議な力を発し、アムロやベルトーチカのピンチを救います。
ちなみにベルトーチカはZガンダムから出てきていて、小説ではアムロと結婚していない状況。つまり、内縁の妻です。
一方、映画の逆襲のシャアではベルトーチカも子供もでてきません。
ベルトーチカの代わりにチェーン・アギがアムロの恋人役となり、キスする程度の軽い関係です。
映画版逆襲のシャアと同じ登場人物でも名前やモビルスーツの名称が異なる
映画版と同じ登場人物でも名前やモビルスーツの名称が異なります。
- ネオジオンの女性士官「ナナイ・ミゲル」の名前が「メスタ・メスア」
- 強化人間「ギュネイ・ガス」の名前が「グラーブ・ガス」
- シャアが乗る「サザビー」が「ナイチンゲール」
- ギュネイが乗る「ヤクト・ドーガ」は「サイコ・ドーガ」
また、映画ではギュネイ・ガスのヤクト・ドーガを撃墜するのが、アムロのνガンダムでしたが、ベルトーチカ・チルドレンではベルトーチカが乗るリ・ガズィとなっています。
ハサウェイが誤って殺してしまった女性が異なる
そして、大きな違いがこれ。
映画版では「クェス・パラヤ」の「α・アジール」を撃墜したのはチェーンが乗るリ・ガズィでしたが、
ベルトーチカ・チルドレンでは「ハサウェイ・ノア」が乗るジェガンとなっています。
閃光のハサウェイのストーリーに大きく影響してくるであろうと考えたのはこの出来事です。
シャアにとどめを刺そうとするアムロに怒り狂ったクェスが迫る。
クェスを止めようとしたハサウェイがパニックになりながら撃ったビームがたまたまα・アジールに命中。
クェスは死にハサウェイは罪悪感からその後数年間鬱状態となります。
ちなみに映画版ではハサウェイはクェスではなく、チェーンを殺してしまっています。
映画版閃光のハサウェイへの影響は?
小説にせよ映画にせよハサウェイは一般人でありながら、かなり問題になる行動をしており、閃光のハサウェイでテロリストになってしまうのは無理もない感じです。
ただ、誤って命を奪ってしまったのが初恋のクェスと特に関係のなかったチェーンどちらにするかで映画版の閃光のハサウェイのストーリーの重みも変わってくるのは間違いないでしょう。
どちらにするかでハサウェイの運命、つまり、映画版閃光のハサウェイの結末が変わってきそうな気がします。
- ベルトーチカチルドレン通り、撃ったのはクェス⇒映画版閃光のハサウェイは小説版閃光のハサウェイと同じ結末
- 映画版逆襲のシャア通り、撃ったのはチェーン⇒映画版閃光のハサウェイだけの新たな結末
あくまで予想ですが、他にも富野氏のガンダム作品はパラレル設定となるものが多いです。
なので、映画版の閃光のハサウェイもアニメだけの独自の内容になる可能性は高いと思われます。
- 小説版ファーストガンダムではラストでアムロが死亡
- 新しく作り直されたZガンダムではカミーユが無事にラストを迎えている
逆襲のシャア小説版ベルトーチカ・チルドレン結末
小説「ベルトーチカ・チルドレン」では、ベルトーチカは生き延び、お腹の子の無事を祈るところで終わっています。
出産している描写もないので、アムロの子供の存在は分からぬまま。
アムロとシャアは映画版逆襲のシャアと同様の結末を迎えています。
小惑星アクシズの地球落下を食い止めるアムロとその巻き添えになるシャア。
うつろな状態で宇宙をさまようハサウェイ。
閃光の中に消えていくHi-νガンダム。
胎動を感じるベルトーチカ、シャアの死を感じ震えるメスタ。
シャアの最後のセリフが涙を誘う。。
逆襲のシャア小説版ベルトーチカ・チルドレンの名言セリフ
「・・・自分のことだけで私は精一杯だったのか?」
「そうではあるまい?」
「そうでは・・・!」
シャアが最期を感じつぶやいたラストの言葉です。
ガンダムオリジンからのシャアの過酷な生い立ちを知っていると彼に共感してしまいます。
アムロにお前のやることはエゴだよ!と言われながらもシャアはシャアで自らが信じる道を精一杯生きたのだと思う。
自分のことだけで精一杯だったけど、だれかのためにも生きれたよな?
と人生を肯定したくなるシャアの精一杯が表れた珠玉の名言だと思う。
逆襲のシャア小説版ベルトーチカ・チルドレンの感想と評価
僕は劇場版の逆襲のシャアも見ていますが、ベルトーチカ・チルドレンの方をなぜ、アニメ化しなかったんだ!
と強く思います。
当時、アムロに子供がいる設定がどうなんだ?ということですけれど、アムロの子供がいればコンテンツとしてこれ以上の素材はないわけで新たなガンダムシリーズを創っていくのも容易になったのではと思います。
現在、UC NEXT100 POJECTの宇宙世紀の次の100年を描くという考えの元新たなガンダムが予定されていますが、その間の数10年ごとを埋めていくのはバナージみたいな人気になるヒーローが必要です。
アムロの子供がいたらその適任になると思ったのは僕だけではないはず。
また、子供がいるということで超人的だったアムロが人間味を増したというか、感情移入しやすい人物になっていた気がします。
シャアも若いグラーヴに「メスタはあれでベッドでは優しいのだ」とか言ってておもしろかった。
普通のエロい親父やん。
あとは、やっぱり最高のモビルスーツ同士の戦いです。
ガンダムの最高峰を極めたようなHi-νガンダムとネオジオンの極限の技術で作り上げられたナイチンゲールのバトルは熱かった。
特にナイチンゲールの生き物のような独特のデザインはすごい。
ドラゴンクエストのラスボス感があります。
ニュータイプに目覚めたクェスの子供っぽさというか危うさも映画より分かりやすかったし、やたら半裸になって人前に出るイカれた少女感も描かれていてよかった。
あんなにサービスしていたらそらあアニメ化できませんわ(笑)
逆襲のシャア小説版ベルトーチカ・チルドレンはアニメ映画化しない?
映画版逆襲のシャアがガンダムの正史である以上、可能性はとても低いと言わざるを得ません。
ただ、アムロに子供がいるという設定はどこかで使ってくるかも。
ガンダムUCで少し出てきたベルトーチカに子供がいた様子はなかったけど、映画版閃光のハサウェイがベルトーチカチルドレンの話を引き継いでいるとしたら今後、世に出てくる宇宙世紀の作品でアムロの子供が登場してきてもおかしくはない。
むしろ、サンライズ、バンダイら制作側もアムロの子供登場は希望したいところなのではないかと思う。
だってアムロの子供がいたら絶対主人公にして作品1つどころかシリーズ化できちゃいますもんね(笑)
逆襲のシャア小説版ベルトーチカチルドレン関連おすすめ商品
2014年から2018年にかけて雑誌ガンダムエースで小説を漫画化した作品が連載されていました。
その漫画が単行本として発売されており、全7巻になります。
絵がある分、小説よりストーリーが理解しやすいのでおすすめです。
ラストのアムロとシャアのところで目に水みたいなのが出てきました(笑)
まとめ
映画とは少し設定が違う「逆襲のシャアベルトーチカ・チルドレン」。
どこが映画と違っているのか読み比べるのも楽しいと思います。
また、今後、映画化が決定している閃光のハサウェイとのつながりも十分考えられるだけに今からチェックしておくといいかもです。
Hi-νガンダムやナイチンゲールらのカッコいいモビルスーツの活躍が知りたい方にもおすすめの作品。
気になった方は漫画がおすすめです。
ではまた!